右手の忘備録

2014年、局所性ジストニアと診断されてからのあれこれを書いています。何かの参考になれば嬉しいです。しばらく放置していたのですが、また続きを書こうかな。

音楽家ジストニアについて話す会(2024.2月)

だいぶ間が空いてしまいましたが…

ジストニアを研究している青嶋先生の、ツイッターでのスペースイベントを聴講しました‼︎走り書きですがメモした事を記しておきます(抜けていたり、聞き間違いがありましたら申し訳ございません)

 

また自分の事もぼちぼち書いていきたいな。

 

ジストニアとは〉

体が勝手に動いてしまう付随運動のひとつ。自分の意思に反して勝手に力が入って、動作や姿勢のコントロールが効かなくなり動きがぎこちなくなる。

 

症状(指に出る場合)

決まった指が巻き込んで丸まったり、跳ね上がったり、隣の指同士が引き寄せあってくっ付いたりする。

 

フォーカルジストニアのフォーカルとは局所性(体の一部)という意味

 

〈発症のきっかけ〉

反復練習

力んだ状態で弾く

(力まないテンポまで下げて負担にならないテンポで練習する事が大事)特定の箇所だけを取り出して練習するのではなく、バランスよくいろんな箇所を練習する。同じ動作をずっとやらない。

 

〈発症する原因〉

練習方法や指導方法が良くなかったというのは部分的には正しいかもしれない。高いレベルの練習を長期的にやる事で発症してしまったりする。しかし、様々な原因が重なって発症するので、弾き方だけが原因ではない。

 

※コンクールや試験で練習時間を増やした

※一旦辞めていて、高レベルな所から再開した

※演奏方法、指導者を変えた

※怪我による身体的、心理的な負荷

※練習期間が長い

※曲のレベルが高い

 

同じ負荷がかかった時に発症する人としない人がいるけど、それは体質などの差です。

 

発症したらやること。

①症状の分析

どの指に何が起こっているなら特定する

どの動作をした時に発症するか特定する

 

②症状が起きる境界線を見定める

同じトリガーの動作でも、ゆっくりすれば症状が出なかったりする。どれくらいの動きをすれば症状が出るかという境界線を見定める

 

③これ以上動くと症状が出るのではないかという境界線のところでリラックスしながら練習していく(減感作療法)

 

例えば10段階のうちのレベル7で症状が出てしまうとしたら、レベル6〜7のあたりで練習していく。すると気付いたら症状が出る境界線が8になっていたりする。

 

症状を抱えたまま本番で弾く時は、症状が出ない境界線が7であったとしても、9〜10の動きが求められる場合があるがそういう時は割り切って、症状が出ても本番は演奏のクオリティを上げる事を考えよう。

 

そのかわり本番までの練習はリハビリ全振り

本番→悪化→リハビリの繰り返し

悪化と改善の繰り返しだけど、結果的に改善の時間のほが長ければよし。

 

練習によって出来てしまった神経回路を治す→症状が出てしまわないように動かすには、こういう練習をすればできるようになる、という過程

 

対処法

①リハビリ

②薬、ボツリヌス注射、脳外科手術

③ボディワーク(アレクサンダーテクニーク、フェルデンクライスなどはリハビリと合わせると効果的)

④整体、鍼灸など

再び大学病院へ(2019.7月)

 

 

再び仕事で右手の具合がイマイチになり、再度大学病院の脳神経内科へ。もう二度と行くまいと思っていたんだけど。

 


医大に行けば最終的に手術を勧められる。。私には手術する選択肢はありませんでした。術後の後遺症、万が一失敗とか???色々と考えるとキリがなくて決められません。もちろん手術して回復した方々が何人もいらっしゃるのは知っています。でも私には勇気がありません。。。

 

 

昨年の主治医はいなくて新しい主治医になりました。またリボトリールを処方されたけど他の薬も試してみたくてアーテンという薬を出してもらいました。しかしこれを飲むと手が震える(⊙⊙) なんかやばそう…

 

 

ということでまたリボトリールに戻しました。

 


飲むと劇的に良くなるわけではないですが、一日飲まないと右手の動きが悪いのがよくわかる。文章で表しづらいのですが動きが鈍く違和感が半端ないのです。だから気休めでも服用を続ける事を決めました。

 

 

ここではこれ以上の薬や治療はなく、もし希望するなら某医大(以前行った病院)を紹介しますよと言われましたがそれはお断りしました。

 

 

2019年7月に再受診し11月で通院終了

 

 

その後は地元のかかりつけ医よりリボトリールを処方してもらえるように手続きして頂きました。

 

 

8月からずーっと休職。辞めようかなって考えいたけどそろそろ復職予定です。週に2回ほど無理しない程度の業務。ただでさえ今はコロナで休校、夫も自宅勤務が増えたり、私も家の中でストレスも出てくるし気晴らし程度に働きたいなと。

 

 

さて、ピアノはコロナ関係でしばらくレッスンはお休み。娘のレッスンも休んでる。早くコロナが終息しますように。。。

それから

 

右手の調子は特に変わりありません。

 

簡単な曲を弾いてみようかな、娘と何か連弾したいなと思いながら色々試しましたがやっぱり無理なんですね。日常生活では、今もシャンプーしづらいとかビンの蓋が開けづらい、雑巾絞りにくいとか…悩ましい事はあります。なのでとにかく無理をしないように気をつけています。

 

 

私の場合ピアノを弾く時のみではなく、こういった日常生活にも少し支障があります。一時は包丁を握るだけで違和感が走りました。

 

 

さて、先日ツイッターでチラッと見かけた記事

(以下引用)

 

病気になった方に対して、

「自分も同じ病気になったことあるからよく分かるけど大丈夫!」って励ますのは、相手を傷つけることがあるかもしれないから少し注意したいですよね。同じなのは「病名だけ」で、タイプや重症度、背景などが違うと治療も予後も何もかもが違う、ということがありますしね。

 

これを読み共感しました。

 

私は、手の不調を感じた時に色々な方々に隠さず話したり情報収集をしました。そこで「私はもっと深刻な病に侵されて生死を彷徨ったけど乗り越えたから」「いい病院知ってるけど効果が出るか出ないかは人それぞれで、効果が出たとしてもお金かかるけれど金銭的に大丈夫?」「右手弾けないのによく弾き合い会に来れるね。私なら絶対無理」とか。  

 

他にも様々なメッセージご意見を頂きました。

 

私の身を案じて気遣って言ってくださった事だと思います。ありがたいです。しかしながら、これには内心モヤモヤ。。当時はこんな風に言われるのは嫌だなぁとか思ってしまって。やっぱり自分の症状は自分にしか分かりません。生死に関わらなくても唯一の趣味を奪われた悲しみは計り知れません。同情してもらいたいわけでもないですが胸がとても苦しかったです。

 

 

中には余計なお世話と思ってしまうようなきつい言葉もあり、、、ちょっと精神的に辛かったのを覚えています。ピアノ関係で色々お世話になった方々が多く感謝は計り知れないのですが自分の中で精神的に、もうこれは無理かもしれない‼︎と思い自ら離れてしまいました。

 

 

うーん、、言葉って難しい

 

 

今思えば冷静になれなかった自分もいたので余計にモヤモヤします。私が大人になれなかったのかなぁとか。ただ、当時はとにかく病を受け入れるのが難しかった。ある日突然弾けるようになるんじゃない??って思ったりもしたし。今もですが。

 

今まで出来ていた事が急に出来なくなる。

どんな気持ちかわかりますか?

 

 

5年が経過しますが、今は弾けないしレッスンも行かない分コンサートへ出かけたり音楽聴いたり…私なりの音楽ライフを楽しんでいます。演奏会で新しい出会いがあったりと嬉しいです。

 

左手の演奏も挑戦してみようかな、と思ったり

ただこちらは決心がまた鈍りダメですね

やっぱり弾くなら両手で弾きたいです笑

今年はそれが課題かなぁ

 

 

それが出来たらまた人前で弾く日も来るのかな?

なんて考えたりも…全ては考え方次第で良くも悪くもなるんですね。マイナスをプラスに変えて生きる力、それが欲しいです。

 

 

 

 

 

 

 

鍼灸院へ(2018.8月)

 

 

さて、右手人差し指…

また振り出しに戻ってしまいました。

鍼灸院とか、整体とか、カイロプラクティックとか…病院以外のこういうところ。私は行ったことがないのですが一度行ってみることにしました。

 

 

フォーカルジストニアを患う人が全国から来るという鍼灸院。ダメもとで一度試してみよう‼︎ということで。どんな事をするのか、全く知識がない私ですが。予約はスムーズに取れて行ってきました。

 

 

問診票を記入後、最初にピアノを弾いてどれくらいの症状か確認。1時間くらいの施術をして頂いた後に、また弾いて確認です。

 

 

もちろん…

急に弾けるようになった‼︎とはなりません。

でも施術前よりも指の違和感は少しなくなりました。何度か通院する事で、良くなっていくのかなと思いました。また、フォーカルジストニアを患っている方で何度か通い症状が改善された方が何人もいるそうです。

 

 

でも、私はここでひとつ拭えきれない気がかりがありました。マンションの一室に構えている院だという事です。今はこういうマンションタイプの整体やマッサージサロンが増えているそうで当たり前になってきているのかもしれないのですが。

 

他のスタッフもいないですし、待合室にも人は居らず男性の先生と2人だけになるのに抵抗がすごくあります。しかも…着替えないといけなくて、なんとなく流れる空気にも苦手な感じがあり、こちらに通う決心がつきませんでした。

 

また、やはりこういう保険外の施術は料金がものすごく高いです。交通費など諸々を入れて1回行くだけで結構な金額に…。だからといって間が空くと効果が得られないでしょうし、難しいですね。

 

ここが最後の砦だったのですが。

 

一歩進んでは止まるの繰り返しばかりしていますね〜

 

 

 

 

初めての心療内科(2018.8月)

 

右手が悪くなった事だけが原因ではないかもしれないですが、漠然とした不安感、なんとなく追い込まれている感じで、突然悲しくなったり焦りを感じたり、、情緒不安定?という状態が続いていました。

 

 

ここ数年、両親が病気になり入院、手術…

親の事も気がかり。近い将来どうなるのか。

 

 

家の事、身体の事、家族の事、将来の事。

考えればキリがないくらい課題はあり。

 

 

あと、仕事を始めて3年目ですがちょっと疲れてきたのもあるかもしれません。

 

 

病んでいるとは認めたくないですが、寝つきが悪かったり夜中に目が覚めたりで。ちょっとおかしいなぁと思っていて。すごく抵抗があり悩んでいたけど…変な先入観があり本当は行きたくなかったけれど。メンタルクリニックに最近行ってきました。

 

 

自分が行く所じゃないって勝手に思っていましたが、いざ行ってみると意外と普通。なるべくいい病院、いい先生を探そうと夫が調べてくれた病院のひとつ。

 

 

「鬱ではないですよ」

と言われ、優しい漢方薬2種類処方されました。

(うーん、本当はそうだけどわざと先生そう言ったのかな?なんて余計な詮索しちゃう。)

 

強い薬は出来るだけ使わない方針の先生みたいで、良かったなと思います。

 

 

とりあえず毎日朝夕飲んで、目覚めはスッキリ起きられます。PMSも重いのですが、そちらの方にも効果がある漢方だそうなので期待したいところ。あと、飲み始めてから代謝が良くなったようです。しばらく続けてみる価値はありそうです。

 

 

 

 

通院終了

 

1ヶ月後の受診

 

お薬を飲んでも特別効いている感じはないと、先生に話しました。すると…

 

「じゃあ薬はこれでおしまい。一番効く薬飲んで良くならないんだからもう飲む必要はないので。通院もこれでおしまいにしましょう。命に関わる病気ではないから」「他の病院行っても、県内ではこのジストニアを専門としている病院はないですよ」「もし行くならまた以前通っていた女子医大の所に行くか」

 

こう言われたのです。

唖然としてしまいました。

 

えっ?他のお薬とか試さないの?

 

見放されたと思いました。

命に関わる病気じゃない病気はどうでも良いのか。

何か、もっと頑張ってくれないの?

 

他に治療も薬もないのは本当かもしれないけど、もっと言い方があるでしょう。こんな人が医師だなんて信じられない…診察室から出て、怒りと悲しさで呆然としてしまいました。。。

 

 

 

 

 

リボトリール。飲み始めの数日は眠くて眠くて〜(*_*)

 

副作用が強いため、朝と夜処方されていましたが夜だけの服用にしてもらいました。これを飲んだからといって突然良くなる訳ではないですが、微妙に少しだけ良くなっているような気がしないでもない。そんなレベル。あと気分の浮き沈みが激しくなり、起き上がれないくらいの体の倦怠感。。副作用強いなぁと思いました。

 

 

2週間後、再び病院へ。

 

先生に副作用の話をしたら新たにサインバルタという薬を追加されました。なんと副作用の症状を和らげるために抗うつ薬を処方されてしまいました。でも、このお薬を飲むと余計に無気力感や倦怠感が現れどうにもこうにも良くない状態になってしまい、服用をやめました。

 

リボトリールは飲み続けていくと眠気は感じなくなり、慣れって怖いなと思いました。

 

また、右手を使わないようにするのではなく気にしないようにするのが一番良いと言われました。でも常に違和感があるので気にしないのは難しいですね。